民法第567条
条文
編集(目的物の滅失等についての危険の移転)
- 第567条
- 売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
- 売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受け取ることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。
改正経緯
編集2017年改正により新設。改正前は、以下の条項が置かれていた。
(抵当権等がある場合における売主の担保責任)
解説
編集引き渡し後(第1項)及び受領遅滞時(第2項)の危険負担については買主にあることを定める。2017年改正前は、売買契約における危険の移転時期を定める条文がなかったため、引渡し(検品・検査合格)をもって、所有権の移転(=危険負担の移転)を定める契約実務が慣習化していたが、改正により引渡し及びそれと同等にみなせる受領遅滞により危険負担が移転する旨を明文化した。
参照条文
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