法学民事法コンメンタール民法第2編 物権 (コンメンタール民法)

条文 編集

先取特権の内容)

第303条
先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

解説 編集

 
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先取特権は、

  1. 法定担保物件
    ←「この法律その他の法律の規定に従い」
    留置権」と同一の性格。約定担保物件である「質権」「抵当権」と異なる。
  2. 財務者の財産
    1. 一般財産(総財産)
      →「一般の先取特権(一般先取特権)」
    2. 債務者に属する個別の動産又は不動産に関する先取特権
      上記「一般の先取特権(一般先取特権)」に対して「特別の先取特権(特別先取特権)」と呼ばれ、倒産法制などにおいて取り扱いが異なる。
      1. 動産
        →動産先取特権
      2. 不動産
        →不動産先取特権
  3. 優先弁済的効力
    質権」「抵当権」と同一の性格で、「留置権」と異なる。

参照条文 編集

  • 立木ノ先取特権ニ関スル法律(明治四十三年法律第五十六号)
    1. 他人ノ土地ノ上ニ立木ヲ有スル者カ土地ノ所有者ニ対シ樹木伐採ノ時期ニ於テ其ノ樹木ノ価格ニ対スル一定ノ割合ノ地代ヲ支払フヘキ契約ヲ為シタルトキハ土地ノ所有者ハ地代ニ付其ノ立木ノ上ニ先取特権ヲ有ス
    2. 前項ノ先取特権ハ他ノ権利ニ対シテ優先ノ効力ヲ有ス但シ民法第三百二十九条第二項但書ノ適用ヲ妨ケス
  • 建物の区分所有等に関する法律第7条
  • 借地借家法第12条
  • 農業動産信用法民法第322条参照)
  • 船舶先取特権
    商法 第3編海商 第8章船舶先取特権及び船舶抵当権
  • 倒産法制
    • 破産法第66条(留置権の取扱い)
      1. 破産手続開始の時において破産財団に属する財産につき存する商法又は会社法の規定による留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなす。
      2. 前項の特別の先取特権は、民法その他の法律の規定による他の特別の先取特権に後れる。
    • 会社更生法 - 「特別の先取特権」は「更生担保権」の一部を構成し、執行が制限される。
    • 民事再生法 - 民法と異なる取り扱いは規定されていない。

前条:
民法第302条
(占有の喪失による留置権の消滅)
民法
第3編 債権
第8章 先取特権
次条:
民法第304条
(物上代位)
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