法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文 編集

委任の終了事由)

第653条
委任は、次に掲げる事由によって終了する。
  1. 委任者又は受任者の死亡
  2. 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
  3. 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

解説 編集

代理権の消滅事由
本人(委任者)について 代理人(受任者)について
死亡 消滅 消滅
破産手続き開始決定 法定代理権は消滅せず
委任による代理権は消滅
消滅
後見開始の審判 消滅せず 消滅

当事者による解除の意思表示がなくとも委任が終了する原因について規定する。 類型的に委任の事務処理義務を受任者が果たすことができない場合について定めている。

1号があるため、受任者の相続人に委任契約上の義務が承継されることはなくなる。

2号の受任者の破産があると、受任者の弁護士、公認会計士等、それに、成年後見人や保佐人等は、財産管理をする者としてふさわしくないので、資格取消し、登録抹消処分を受ける。(これに対し医師等は、個人破産しても、財産管理をする者としてふさわしくないとして資格取消し、登録抹消処分を当然には受けない。)

取締役(受任者)も破産・後見開始すると会社との委任契約が終了する。ただし、会社が、破産して復権していない元取締役を取締役に選ぶのは認められている。後見開始した元取締役は選べない(会社法第331条1項)。

参考条文 編集

関連法 編集


前条:
民法第652条
(委任の解除の効力)
民法
第1編 総則

第2章 契約

第10節 委任
次条:
民法第654条
(委任の終了後の処分)
このページ「民法第653条」は、まだ書きかけです。加筆・訂正など、協力いただける皆様の編集を心からお待ちしております。また、ご意見などがありましたら、お気軽にトークページへどうぞ。