法学環境法自然環境保全法コンメンタール自然環境保全法

条文

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(目的)

第1条

この法律は、自然公園法 (昭和三十二年法律第百六十一号)その他の自然環境の保全を目的とする法律と相まつて、自然環境を保全することが特に必要な区域等の生物の多様性の確保その他の自然環境の適正な保全を総合的に推進することにより、広く国民が自然環境の恵沢を享受するとともに、将来の国民にこれを継承できるようにし、もつて現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

解説

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本法は、公害問題、環境庁の発足などがあった状況下で制定された。制定直後の本条は、次のとおりで、自然環境保全の基本法とされていた[1]

この法律は、自然環境の保全の基本理念その他自然環境の保全に関し基本となる事項を定めるとともに、自然公園法(括弧書き略)その他の自然環境の保全を目的とする法律と相まつて、自然環境の適正な保全を総合的に推進し、もつて現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

自然公園法との関係については、環境庁は本法への一本化を目指したが、農林省建設省(いずれも当時)の対立が背景にあって、できなかったという[2]。その後、環境基本法の制定に伴い「自然環境の保全の基本理念その他自然環境の保全に関し基本となる事項を定める…が同法に移行した。なお、本法と自然公園法の関係については、「自然公園法と自然環境保全法」も参照されたい。

「その他の自然環境の保全を目的とする法律」については、本法は、「自然環境の保全」を本来の目的とはしていない法令にも関係することがある。例えば、本法の自然環境保全地域等文化財保護法に基づく天然記念物が存することがある(参考例:[3])。

主管箇所である環境省は、『自然環境保全法の運用について』で、「原生自然環境保全地域及び自然環境保全地域は、自然環境を適正に保全し、将来の国民に継承していくという性格の地域であり、すぐれた自然の風景地を保護するとともにその利用を増進を図るという性格の地域である自然公園とは、その性格を異にする」としている。つまり、本法は利用を前提としてなく[4]#参照条文掲載の各条文で、そのことを検証されたい。

「生物の多様性の確保」については、平成二一年六月三日法律第四七号による改正で、自然公園法どもども追加された。

脚注

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  1. ^ 『自然環境保全法の解説』108頁
  2. ^ 畠山武道北村喜宣大塚直 『環境法入門 (日経文庫)』 日本経済新聞出版社、2007年。ISBN 9784532111427。 143 - 144頁
  3. ^ 白神山地世界遺産センター「白神山地世界遺産地域管理計画」
  4. ^ 土地基本法第3条は、土地に関する基本理念の一つとして、適正な利用及び計画に従った利用を定めている。

参照条文

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前条:

自然環境保全法
第一章 総則

次条:
自然環境保全法第2条
(国等の責務)