民法第1040条
条文
編集(居住建物の返還等)
- 第1040条
- 配偶者は、前条に規定する場合を除き、配偶者短期居住権が消滅したときは、居住建物の返還をしなければならない。ただし、配偶者が居住建物について共有持分を有する場合は、居住建物取得者は、配偶者短期居住権が消滅したことを理由としては、居住建物の返還を求めることができない。
- 第599条第1項及び第2項並びに第621条の規定は、前項本文の規定により配偶者が相続の開始後に附属させた物がある居住建物又は相続の開始後に生じた損傷がある居住建物の返還をする場合について準用する。
改正経緯
編集2018年改正により新設。本条に定められていた以下の条項(明治民法第1143条由来)は、継承条項なく削除された。 (受贈者が贈与の目的を譲渡した場合等)
- 減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、遺留分権利者にその価額を弁償しなければならない。ただし、譲受人が譲渡の時において遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、遺留分権利者は、これに対しても減殺を請求することができる。
- 前項の規定は、受贈者が贈与の目的につき権利を設定した場合について準用する。
- 土地建物所有権移転登記等請求(最高裁判決 昭和35年7月19日)民法第1042条
- 受贈者に対し減殺請求をしたときは、その後に受贈者から贈与の目的物を譲り受けた者に対してさらに減殺の請求をすることはできない。
- 土地建物所有権移転登記等請求(最高裁判決 昭和35年7月19日)民法第1042条
解説
編集参照条文
編集判例
編集参考
編集- 明治民法において、本条には限定承認に関する以下の規定があった。趣旨は、民法第940条に継承された。
- 相続ノ放棄ヲ為シタル者ハ其放棄ニ因リテ相続人ト為リタル者カ相続財産ノ管理ヲ始ムルコトヲ得ルマテ自己ノ財産ニ於ケルト同一ノ注意ヲ以テ其財産ノ管理ヲ継続スルコトヲ要ス
- 第六百四十五条、第六百四十六条、第六百五十条第一項、第二項及ヒ第千二十一条第二項、第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
- 明治民法第1143条
- 減殺ヲ受クヘキ受贈者カ贈与ノ目的ヲ他人ニ譲渡シタルトキハ遺留分権利者ニ其価額ヲ弁償スルコトヲ要ス但譲受人カ譲渡ノ当時遺留分権利者ニ損害ヲ加フルコトヲ知リタルトキハ遺留分権利者ハ之ニ対シテモ減殺ヲ請求スルコトヲ得
- 前項ノ規定ハ受贈者カ贈与ノ目的ノ上ニ権利ヲ設定シタル場合ニ之ヲ準用ス
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