民法第376条
条文
編集(抵当権の処分)
- 第376条
- 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
- 前項の場合において、抵当権者が数人のためにその抵当権の処分をしたときは、その処分の利益を受ける者の権利の順位は、抵当権の登記にした付記の前後による。
解説
編集転抵当など、抵当権の処分について定めた規定である。
参照条文
編集- 民法第373条(抵当権の順位)
- 民法第374条(抵当権の順位の変更)
- 民法第377条(抵当権の処分の対抗要件)
- 民法第398条の11(根抵当権の処分)
- 企業担保法第9条(民法の準用)
判例
編集- 土地建物所有権移転登記抹消登記手続(最高裁判例 昭和55年09月11日)民法第94条,不動産登記法第146条1項
- 原抵当権が虚偽仮装であることにつき善意で転抵当権の設定を受けその旨の登記を経由した者が民法376条所定の対抗要件を具備しない場合と同人の原抵当権設定者に対する原抵当権設定登記の抹消の承諾義務
- 甲と乙との通謀により甲から乙に対し抵当権を設定したものと仮装した抵当権設定登記が経由されたのち、乙が善意の丙に対し転抵当権を設定し、丙を権利者とする転抵当権設定登記が経由された場合において、丙は、いまだ民法376条所定の対抗要件を具備しないときであつても、原抵当権の設定の無効を理由とする原抵当権設定登記の抹消について、甲に対し承諾の義務を負うものではない。
- 民法第94条2項所定の第三者の善意の判定時期
- 民法第94条2項所定の第三者の善意の存否は、同条項の適用の対象となるべき法律関係ごとに当該法律関係につき第三者が利害関係を有するに至つた時期を基準として決すべきである。
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