法学民事法コンメンタール民法第4編 親族

条文 編集

後見人の辞任)

第844条
後見人は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。

解説 編集

後見人の恣意によってその職を辞することができると被後見人の利益が不安定となることから、家庭裁判所が「正当な事由」を審査の上、辞任が許可される。明治民法第907条の趣旨を継承するものであるが、明治民法が後見人の辞任を原則禁止し、例外を正当事由の存在を含め列挙していたのに対し、正当事由だけ残し、それに集約した。
後見人が職務に対して積極的な意思を失って辞任を申し出た場合、健康上の理由などが伴わない限り、それのみでは正当な事由とは認め難いが、後見人を継続させることは被後見人の利益に反するおそれがある。その場合は、「後見の任務に適しない事由」あるものとして解任しえ(民法第846条)、その場合に被後見人に発生する負担等の損害は、一種の債務不履行として、当該後見人に請求しうる。

参照条文 編集

民法第876条の7(補助人及び臨時補助人の選任等)

参考 編集

明治民法において、本条には養子についての父母の同意に関する以下の規定があった。家制度の廃止に伴い継承なく削除された。

成年ノ子カ養子ヲ為シ又ハ満十五年以上ノ子カ養子ト為ルニハ其家ニ在ル父母ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス

前条:
民法第843条
(成年後見人の選任)
民法
第4編 親族

第5章 後見
第2節 後見の機関

第1款 後見人
次条:
民法第845条
(辞任した後見人による新たな後見人の選任の請求)


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