民法第482条
条文編集
(代物弁済)
- 第482条
- 弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。
改正経緯編集
2017年改正により、以下のとおり改正された。
- 弁済の主体
-
- (改正前)債務者が、
- (改正後)弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、
- 代物弁済が可能である条件
-
- (改正前)債権者の承諾を得て、
- (改正後)債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、
- 弁済の態様
- (改正前)その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、
- (改正後)その弁済者が当該(=契約で定めた)他の給付をしたとき
解説編集
当初決められていた給付以外の給付でも弁済と同一の効力を得られる場合があることとそのための要件について規定している。
決済に際して、手形・小切手の発行又は既発手形等を裏書き譲渡する行為は、代物弁済と解されている(参考. 民法第513条#改正経緯)。
参照条文編集
弁済(民法第492条) | |
弁済以外 | 代物弁済(民法第482条) |
供託(民法第494条) | |
相殺(民法第505条) | |
更改(民法第513条) | |
免除(民法第519条) | |
混同(民法第520条) | |
時効(民法第166条) |
判例編集
- 土地所有権確認等請求(最高裁判決 昭和27年11月20日)民訴法第258条,民法第90条
- 建物所有権移転登記等請求(最高裁判決 昭和39年01月30日)民法第370条,民訴法395条6号
- 土地所有権移転登記手続等請求(最高裁判決 昭和39年03月06日)農地法第5条
- 貸金請求(最高裁判決 昭和39年11月26日)
- 民法第482条にいう「他の給付」が不動産の所有権を移転することにある場合には、当事者がその意思表示をするだけではたりず、登記その他引渡行為を終了し、第三者に対する対抗要件を具備したときでなければ、代物弁済は成立しないと解すべきである。
- 債務不存在確認等(最高裁判決 昭和40年04月30日)
- 所有権移転登記等請求(最高裁判決 昭和40年12月03日)
- 貸金請求(最高裁判決 昭和43年11月19日)
- 土地建物所有権移転登記等(最高裁判決 昭和56年07月17日)民法第395条
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