法学民事法コンメンタール民法第4編 親族

条文 編集

後見監督人の同意を要する行為)

第864条
後見人が、被後見人に代わって営業若しくは第13条第1項各号に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、同項第1号に掲げる元本の領収については、この限りでない。

解説 編集

後見監督人をおく場合における、後見人の以下の行為又は未成年被後見人に対する合意に関する要件について定める。被後見人の財産に関して大きな影響を与える後見人の行為に関して牽制を加える手段として「後見監督人」をおくもの。明治民法第929条においては、「親族会」により牽制をしていたが、家制度廃止に伴い、任意の監督機関による牽制となった。
後見監督人の合意を欠く行為は取り消しうる(次条)。
  • 営業行為
  • 民法第13条(保佐人の同意を要する行為等)第1項各号に掲げる行為
    1. 元本を領収し、又は利用すること。
    2. 借財又は保証をすること。
    3. 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
    4. 訴訟行為をすること。
    5. 贈与和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
    6. 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
    7. 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
    8. 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
    9. 第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。
    10. 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第17条第1項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。

参照条文 編集

参考 編集

明治憲法において、本条には協議離婚に関する以下の規定があった。戦後民法では、民法第766条に継承された。

第七百七十四条及ヒ第七百七十五条ノ規定ハ協議上ノ離縁ニ之ヲ準用ス

前条:
民法第863条
(後見の事務の監督)
民法
第4編 親族

第5章 後見

第3節 後見の事務
次条:
民法第865条
(後見監督人の同意を要する行為)


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