高等学校の数学では結果よりも過程を重視するようになる。
従って、定義や定理の仮定を正しく理解する必要とともに、論理的な考え方ができるようになる必要がある。
2022年度以降高校に入学した人はこちらを閲覧してください。
学習指導要領における性格づけ
科目とその性格
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含まれる単元とその内容
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備考など
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数学Ⅰ
- 必履修科目として、中学校との接続に配慮するとともに、この科目だけで高等学校数学の履修を終える生徒及び引き続き数学を履修する生徒の双方に配慮した内容で構成し、すべての生徒の数学的に考える資質・能力の基礎を培う。
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- 数と式
- 図形と計量
- 二次関数
- 二次関数とそのグラフ
- 二次関数の値の変化
- 二次不等式
- データの分析
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(旧過程との差異)
- 「数学A」から「整数の性質」中の「有限小数,循環小数」に関する内容を移入。
- 「循環小数」→分母・分子が整数の分数 となる計算。
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数学Ⅱ
- 高等学校数学の根幹をなす内容で構成し、より多くの生徒の数学的に考える 資質・能力を養う。
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- いろいろな式
- 図形と方程式
- 指数関数・対数関数
- 三角関数
- 微分・積分の考え
- 微分の考え
- 微分係数と導関数
- 関数の定数倍、和及び差の導関数
- 導関数の応用
- 積分の考え
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(旧過程との差異)
- 変更なし。
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数学Ⅲ
- 微分法、積分法の基礎的な内容で構成し、数学に強い興味や関心をもって更に深く学ぼうとする生徒や、将来数学が必要な専門分野に進もうとする生徒の数学的に考える資質・能力を伸ばす。
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- 極限
- 数列の極限
- 数列{
} の極限
- 無限等比級数の和
- 関数とその極限
- 分数関数と無理関数
- 合成関数と逆関数
- 関数の値の極限
- 微分法
- 導関数
- 関数の和・差・積・商の導関数
- 合成関数の導関数
- 三角関数・指数関数・対数関数の導関数
- 導関数の応用
- 接線、関数の値の増減、極大・極小、グラフの凹凸、速度・加速度
- 積分法
- 不定積分と定積分
- いろいろな関数の積分
- 積分の応用
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(旧過程との差異)
- 「平面上の曲線と複素数平面」を「数学C」に移出。
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数学A
- 「数学I」の内容を補完するとともに、数学のよさを認識し、数学的に考える資質・能力を培う。
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履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。
- 図形の性質
- 場合の数と確率
- 場合の数
- 確率
- 確率とその基本的な法則
- 独立な試行と確率
- 条件付き確率
- 数学と人間の活動
- 数量や図形と人間の活動
- 遊びの中の数学
- ユークリッドの互除法、二進法、平面や空間における点の位置
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(旧過程との差異)
- 「数学B・確率分布と統計的な推測」中の「期待値」を移入。
- 「数学活用」の「数学と人間の活動」について、「数学A」の 「整数の性質」を含んで移入。
「数学と人間の活動」のスコープ
- (学習到達目標)
- 数学が文化と密接に関わりながら発展してきたことを踏まえ、数学的なものの見方や考え方、数学的な表現や処理、数学的活動や思索することの楽しさなどに焦点を当て、数理的に考察することの有用性や数学のよさを認識できるようにするとともに、統合的・発展的に考察する力や、事象を数理的に考察する力、数学を積極的に活用する態度などを培う。
- (取り扱われる数学分野)
- 数学史? 数理パズル?
- 「塵劫記」、魔方陣、「ハノイの塔」、「河渡りの問題」が例に挙げられていた。
- →入試問題などには出題困難ではないか。
- 整数論
- 記数法(特に2進法)、循環小数
- ユークリッドの互除法、2つの整数の公約数を求める。
- 一次不定方程式の整数解
- 平面や空間において点の位置を表す座標の考え方(「解析幾何」への導入?)
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数学B
- 「数学I」より進んだ内容を含み、数学的な素養を広げるとともに、数学の知識や技能などを活用して問題解決や意思決定をすることなどを通して数学的に考える資質・能力を養う。
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履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。
- 数列
- 統計的な推測
- 確率分布
- 確率変数と確率分布
- 確率変数の平均、分散、標準偏差
- 二項分布
- 正規分布
- 統計的な推測
- 数学と社会生活
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(旧過程との差異)
- 「確率分布と統計的な推測」中の「期待値」を「数学A」へ移出。
- 「ベクトル」を「数学C」へ移出。
- 「数学活用・社会生活における数理的な考察」の「社会生活と数学」及び「データの分析」を移入。
「数学と社会生活」のスコープ
- (学習到達目標)
- 日常の事象や社会の事象などを数学化し、問題解決したり、解決の過程や結果を振り返って考察したりできるようにする。
- (取り扱われる数学分野)
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数学C
- 「数学I」より進んだ内容を含み、数学的な素養を広げるとともに、数学的な表現の工夫などを通して数学的に考える資質・能力を養う。
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履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。
- ベクトル
- 平面上の曲線と複素数平面
- 数学的な表現の工夫
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(旧過程との差異)
- 新設
- 「ベクトル」を「数学B」から移入。
- 「平面上の曲線と複素数平面」を「数学Ⅲ」から移入。
- 「数学活用・社会生活における数理的な考察」中の「数学的な表現の工夫」を移入。
「数学的な表現の工夫」のスコープ
- (学習到達目標)
- 日常の事象や社会の事象などを、図、表、統計グラフ、離散グラフや行列などを用いて工夫して表現することの意義を理解し、それを基に事象を考察する力を養う。
- (取り扱われる数学分野)
- 図・グラフ表現
- 棒グラフ,折れ線グラフ,ヒストグラム, 箱ひげ図,散布図など
- 「パレート図」「バブルチャート」「モザイク図」など
- PC等の利用が推奨されているので、Excel等を利用か。
- 行列
- 計算方法の紹介レベル
- ただし、「生徒の特性等によって、本科目の「(3)数学的な表現の工夫」の行列とベクトルを関連させて取り扱うことも考えられる。」との記述もあり、一次変換に絡めて教授される可能性はある。
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※数学A,数学B、数学Cについては、すべて「履修に当たっては、生徒の特性や学校の実態、単位数等に応じて、内容の1から3までの中から適宜、適切な内容を選択させる。」との条件がついており、実際には、そのスコープが曖昧な各々の3については省略されるのではないか。