刑法第3条
条文
編集(国民の国外犯)
- 第3条
- この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
- 第108条(現住建造物等放火)及び第109条第1項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
- 第119条(現住建造物等浸害)の罪
- 第159条から第161条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第161条の2の罪
- 第167条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第2項の罪の未遂罪
- 第176条、第177条及び第179条から第181条まで(不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、不同意わいせつ等致死傷)並びに第百八十四条(重婚)の罪
- 第198条(贈賄)の罪
- 第199条(殺人)の罪及びその未遂罪
- 第204条(傷害)及び第205条(傷害致死)の罪
- 第214条から第216条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不同意堕胎致死傷)の罪
- 第218条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第219条(遺棄等致死傷)の罪
- 第220条(逮捕及び監禁)及び第221条(逮捕等致死傷)の罪
- 第224条から第228条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
- 第230条(名誉毀損)の罪
- 第235条から第236条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第238条から第240条まで(事後強盗、
昏 酔強盗、強盗致死傷)、第241条第1項及び第3項(強盗・不同意性交等及び同致死)並びに第243条(未遂罪)の罪 - 第246条から第250条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
- 第253条(業務上横領)の罪
- 第256条第2項(盗品譲受け等)の罪
改正経緯
編集2023年(令和5年)改正
編集第5号
編集改正前
- 「第176条から第181条まで(強制わいせつ、強制性交等、準強制わいせつ及び準強制性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、強制わいせつ等致死傷)及び第184条(重婚)の罪」
- 「第178条(準強制わいせつ及び準強制性交等)」の廃止に伴い列挙方法を改正。
- 「強制わいせつ」「強制性交」概念が「不同意わいせつ」「不同意性交」概念に見直しになり改正されたことに伴う改正。
第14号
編集改正前
- 第241条第1項及び第3項(強盗・強制性交等及び同致死)
改正後
- 第241条第1項及び第3項(強盗・不同意性交等及び同致死)
2017年(平成29年)改正
編集主に、見出し語即ち罪名乃至その表記が改正になったことに伴う改正。なお、新設された「監護者わいせつ及び監護者性交等」の罪は属人主義によることが定められた。
第5号
編集改正前
- 「第176条から第179条まで(強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ及び準強姦、集団強姦等、未遂罪)、第181条(強制わいせつ等致死傷)及び第184条(重婚)の罪」
- 「第177条(強姦)」→「第177条(強制性交等)」
- 「強姦」概念の見直しに伴う、見出しの変更
- 「第178条(準強制わいせつ及び準強姦)」→「第178条(準強制わいせつ及び準強制性交等)」
- 「準強姦」概念の見直しに伴う、見出しの変更
- 「第180条(親告罪)」→ 削除
- 「強制性交等」は「親告罪」ではないため削除。
- 「第178条の2(集団強姦等)」→ 削除
- 「強姦(≒強制性交等)」の法定刑の下限が懲役3年から5年に引き上げられ、下限が4年であった「集団強姦等」の概念が不要になったことに伴う削除。
- 「第179条(未遂罪)」→ 「第180条(未遂罪)」
- 「監護者わいせつ及び監護者性交等」の罪新設に伴う、条数の繰り下げ。第180条は上記3により空番となっているため、以降の条数への影響はない。
- 第179条(監護者わいせつ及び監護者性交等)
- 新設
第6号
編集新設
- 「第198条(贈賄)の罪」
- 「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」により追加された。
第12号
編集改正前
- 「第230条(名誉毀損)の罪」
- 「毀」に「き」のルビが振られたことに伴う改正。
第13号
編集改正前
- 「第235条から第236条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第238条から第241条まで(事後強盗、昏酔強盗、強盗致死傷、強盗強姦及び同致死)及び第243条(未遂罪)の罪」
昭和22年改正
編集主に、日本国憲法施行に伴う改正 改正前
- 「帝国外ニ於テ帝国臣民ニ対シ前項ノ罪ヲ犯シタル外国人ニ付キ亦同シ」(削除)
- 第2項(廃止)
- 帝国外ニ於テ帝国臣民ニ対シ前項ノ罪ヲ犯シタル外国人ニ付キ亦同シ(日本国外で日本国民に第3条の罪を犯した者も罰するという規定なお、現在は、第3条の2に、近いものがある。)
解説
編集属人主義に服する犯罪、即ち、犯人が日本国民であれば、外国において一定の罪を犯した者であっても刑法を適用する犯罪を定めている。
また第2項(廃止)によれば、日本国民に対する行為も、犯人が日本国民である場合と同様に外国人にも一定の罪を犯した者について刑法を適用することを定めている
参照条文
編集- 第6号
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案
- (可決成立日 平成29年6月15日)
- (公布日 平成29年6月21日(法律第67号))
- (官報掲載日 平成29年6月21日(第7044号))
- (施行日 一部の規定を除き,平成29年7月11日)
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