コンメンタール労働基準法)(

条文 編集

【罰則4・違法の程度が軽微なもの】

第120条  
次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
  1. 第14条第15条第1項若しくは第3項、第18条第7項、第22条第1項から第3項まで、第23条から第27条まで、第32条の2第2項(第32条の3第4項、第32条の4第4項及び第32条の5第3項において準用する場合を含む。)、第32条の5第2項、第33条第1項ただし書、第38条の2第3項(第38条の3第2項において準用する場合を含む。)、第39条第7項、第57条から第59条まで、第64条第68条第89条第90条第1項、第91条第95条第1項若しくは第2項、第96条の2第1項、第105条第100条第3項において準用する場合を含む。)又は第106条から第109条までの規定に違反した者
  2. 第70条の規定に基づいて発する厚生労働省令(第14条の規定に係る部分に限る。)に違反した者
  3. 第92条第2項又は第96条の3第2項の規定による命令に違反した者
  4. 第101条(第100条第3項において準用する場合を含む。)の規定による労働基準監督官又は女性主管局長若しくはその指定する所属官吏の臨検を拒み、妨げ、若しくは忌避し、その尋問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をし、帳簿書類の提出をせず、又は虚偽の記載をした帳簿書類の提出をした者
  5. 第104条の2の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかった者

改正経緯 編集

2018年改正において以下のとおり改正された。

  1. 文言の整理。
    • (旧)次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
    • (新)次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
  2. 対象条項の変動を反映するもの。
      • (旧) 第32条の2第2項(第32条の4第4項及び第32条の5第3項において準用する場合を含む。)
      • (新) 第32条の2第2項(第32条の3第4項、第32条の4第4項及び第32条の5第3項において準用する場合を含む。)
      • (旧) 第39条
      • (新) 第39条(第7項を除く。)

解説 編集

  1. 違反に関して処罰対象となる条項
  2. 労働基準法第70条の規定に基づいて発する厚生労働省令(労働基準法第14条の規定に係る部分に限る。)に違反した者
  3. 第92条第2項又は第96条の3第2項の規定による命令違反
  4. 労働基準法第101条(第100条第3項において準用する場合を含む。)の規定による臨検の拒否・妨害・虚偽対応
  5. 労働基準法第104条の2の規定による報告の拒否・虚偽対応

参照条文 編集

判例 編集

  1. 退職金請求(最高裁判決 昭和43年03月12日) 国家公務員等退職手当法第2条,労働基準法第11条,労働基準法第24条1項,民法第466条
    1. 国家公務員等退職手当法に基づく退職手当の支払と労働基準法第24条1項の適用または準用の有無
      国家公務員等退職手当法に基づいて支給される一般の退職手当は、労働基準法第11条所定の賃金に該当し、その支払については、性質の許すかぎり、同法第24条第1項本文の規定が適用または準用される。
    2. 右退職手当の受給権を譲り受けた者が国または公社に対し直接支払を求めることの許否
      右退職手当の支給前に、退職者またはその予定者が退職手当の受給権を他に譲渡した場合において、譲受人が直接国または公社に対してその支払を求めることは許されない。
      • 退職手当法による退職手当の給付を受ける権利については、その譲渡を禁止する規定がないから、退職者またはその予定者が右退職手当の給付を受ける権利を他に譲渡した場合に譲渡自体を無効と解すべき根拠はないけれども、労働基準法24条1項が「賃金は直接労働者に支払わなければならない。」旨を定めて、使用者たる貸金支払義務者に対し罰則をもつてその履行を強制している趣旨に徴すれば、労働者が賃金の支払を受ける前に賃金債権を他に譲渡した場合においても、その支払についてはなお同条が適用され、使用者は直接労働者に対し賃金を支払わなければならず、したがつて、右賃金債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないものと解するのが相当である。

前条:
労働基準法第119条
(罰則3)
労働基準法
第13章 罰則
次条:
労働基準法第121条
(罰則5)
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